一般に線形多段階法についてはオイラー法と同様な扱いができる。つまり、使 う公式を決めたら、それで一変数線形の方程式を解いて見る。すると、それが 一般に の形をとる。 は、安定性多項式と呼ばれる、要 するに を で置き換えてできる代数方程式の根である。このと き、絶対安定である条件は、すべての の絶対値が 1 より小さいとい うことになる。
例えば、前回の補外法のところで出てきた中点公式
を考えてみよう。安定性多項式は
となり、実解が2つある。すぐにわかるように、 ならば必 ず解の一つは絶対値が 1 より大きいので、中点公式には絶対安定領域がない、 言い替えればかならず不安定であるということがわかる。
これにたいし、アダムス法はちゃんと絶対安定領域を持つ。但し、次数が上が るにつれて小さくなるし、陽公式の安定領域は陰公式のそれよりもずっと狭い。