アダムス法はいくらでも高次の公式が作れ、計算量もあまり多くないというこ とがわかっているが、必ずしも広く使われているというわけでもない。その理 由はいろいろあるが、一つは、
「どうやって計算を始めるべきかよくわからない」
ということである。つまり、初期値問題としてはもちろん における しか知らないのに、多段階法ではその前の時刻での解が必要になるわけ である。これに対する対応策はいくつかあるが、時間刻み一定の場合には、基 本的にはルンゲ・クッタなどの別な方法で解を求めておくというやりかたが普 通である。
というわけで結局プログラムを書く手間が2倍以上になるというのが、多段階 法の実用上の問題である。