さて、補間公式の構成について、まえに説明したのはラグランジュ補間の公式 をそのまま使う方法であった。これはこれで別にいけないわけではないのだが、 もう少しスマートな方法があるので、それを紹介しておく。
補間したい関数 が、標本点 で、関数値 をとるとする。これを、以下のような形の多項式
という形に書くことを考える。これを、 までをとったものは までを通る最低次補間多項式になっているように構成すること にする。で、低い次数から順に作っていく。付け加える新しい項は、それまで に使った点すべてで0になるので、新しい点で標本と一致するように の 値を決めればいい。
まず、n=0 については、 とすればいいのは明らかであろう。 次にn=1 であるが、
から
となる。同様に、 を求めると、
ただし、
である。
さて、段々式が繁雑になるが、もうちょっとの辛抱である。上の形は、
というふうにも書き直せることに注意しよう。これは、を通る補間式 の一次の係数と、 を通る補間式の係数の差みたいなものになっている。
ここで、天下りに、 k 階差商 (divided difference) というものを導入する。これは以下のように定義される。
実は、このように定義された D が、
を満たす、求める係数であることを示すことが出来る。
証明には、が、 から始まる k+1点を通る補間多項式の係数 であるということを用いる。定義により
であるの。 ここで、帰納 法を使って証明することにすると、
は、 を通る k-1次補間多項式であり、また、
は、 を通る k-1次補間多項式であるとしてよい。こ の2つの線形結合によって、 を通る補間多項式を作るに は、
とすればよい。ここで、とは、それぞれ と の最高次の係数であることに注意すると、 の最高次の係数(これは に等しい) は、で与えられることがわかる。
さて、
という多項式を考えると、これは で と一致し、 さらに最高次の係数も一致しているので、結局 であることがわ かる。つまり、 が求める補間多項式であり、 がその最高 次の係数ということになる。