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3 G1

では G1 についてはどうであろうか?細かいことは省略するが、 G1 について も我々のシミュレーションではブラックホールなしで密度、速度分散を再現で きた。なお、 G1 は非常に緩和時間が長く、回転しておりかなり偏平である。 回転速度、偏平度についても、初期に適当に角運動量を与える、具体的には同 じ質量のキングモデルを off-center な放物軌道から合体させた初期条件から初めることで 非常に良く再現できた。

Gebhardt の主張(private communication) は、速度分散の4次のモーメントが ブラックホールがないと説明できないというものである。もちろん、4次のモー メントが信頼できる精度で決まっていれば、それはかなり有力な根拠になる。 しかし、彼らのデータ(未発表)を見た限りでは、4次のモーメントがブラック ホールの影響がないはずのかなり外側でも有意に正の値を持っており、ベース ラインの設定等の観測データの処理の段階で問題があったことを示唆する結果 になっている。



Jun Makino
平成15年5月13日