この記事では、多数の質点間の重力相互作用や荷電粒子の間の静電相互作用を 高速に計算する手法として1980年代中頃に提案された FMM (Fast Multipole Method, 高速多重極展開法)[8]と、それと非常に 関連が深く、やはり1980年代に提案されて広く使われるようになったツリー法 [2,3]について、その原理と研究の動向を概説する。 まず、基本原理が単純であるツリー法についてその原理を説明し、次に FMM の原理を説明し、その次に、実際に使う上での問題点等についてまとめる。