能書きを聞いていても良くわからないので、実例を見てみよう。まず、簡単な 例として調和振動子
を leap frog と 2階のルンゲクッタで解いた例を示す。初期条件は で、時間刻みは である。
軌道とエネルギーを図に示す。非常に特徴的なのは、 leap frog ではエネル ギーが周期的にしか変化しないのに対し、ルンゲクッタでは単調に増えている ことである。
図 1: 調和振動子の数値積分。左:軌道。右:エネルギー。破線は2次のル
ンゲクッタ、実線は leapfrog の結果
ルンゲクッタでは単調に変化するというのは前に説明した通り (2階のルンゲクッタでは虚軸を安定領域に含まないため)である。 さて、これに対し、 leapfrog ではエネルギーが変化していないが、これはど ういうことなのであろう?
実は、この調和振動子の場合には、 leapfrog 公式は以下の量
を保存するということを確かめることが出来る。つまり、 で与えら れる位相平面の上で考えると、 leapfrog 公式の解は上の式で与えられる楕円 の上にのっているのである。このために、エネルギーの誤差がある値よりも大 きくなり得ないことになる。
では、非線形振動ではどうだろう?簡単な例として
を leap frog と 2階のルンゲクッタで解いた例を示す。初期条件は で、時間刻みは である。
軌道とエネルギーを図に示す。調和振動の場合と同様に、 leap frog ではエネル ギーが周期的にしか変化しないのに対し、ルンゲクッタでは単調に増えている。
図 2: 非線形振動の数値積分。左:軌道。右:エネルギー。破線は2次のル
ンゲクッタ、実線は leapfrog の結果
この場合も保存量があるので、頑張れば求まるかもしれない。