先週の Nature になかなか教育的な効果が大きそうな論文があったので、それ をあげつらうことでこれまでの講義でやってきた概念のいくつかの復習にする。
ネタ:
http://jp.arxiv.org/abs/0808.3772 (Nature 論文)
http://jp.arxiv.org/abs/astro-ph/0603486 (そこで扱われている矮小銀河の 1つについての論文)
http://jp.arxiv.org/abs/0706.0516
http://jp.arxiv.org/pdf/astro-ph/0606633v2
親銀河のポテンシャルは無視できる。
例によってジーンズ方程式で質量推定する。 [SI 式 (1)]
「King profile」でフィット。
適当に異方性も。
ダークマターは モデル風。
「観測された速度分散プロファイル」を再現するようにダークマターモデルの パラメータを決める。
全ての矮小銀河は、その大きさ、明るさに無関係に 300pc の内側の質量が 太陽質量(範囲2倍程度)である。
論文だけからはなんとも言えない。
矮小銀河の星の視線速度の生データや半径方向プロファイルのデータが示され ていないので判断のしようがない。
元データにあたってみる。
Simon and Geha 2007
速度を測った星の数: 大体20個くらい。
速度の誤差: 2-3km/s
明らかにわかること: 半径方向の速度プロファイルなんか決まるはずがない。
Willman 1
大変立派な tidal tail がある。tail と本体の境界の半径は20pc くらい。
どういうモデルフィッティングをして 300pc までダークマターがあることに したのか?
論文にも色々ある。