前回は、断熱壁に囲まれた自己重力ガスの熱平衡状態の安定性を検討した。基 本的な結論は、重力の寄与が大きくなると、熱平衡状態が不安定になるという ことであった。
このあとどうなるかということを調べるためには、数値計算をする必要 がある。 Hachisu et al. (1978) は、自己重力流体についてそのよう な数値計算を行なった。
結果の詳細は省くが、重要なことは、中心から熱をとったときに「自己相似解」 が現れる場合があるということである。
中心に熱を与えると、中心は温度を下げつつ膨張する。このときは、結局最終 的には安定平衡にいってしまうことになる。しかし、中心から熱をとったとき にはどこかいき先があるわけではない。
この後の進化は、熱伝導のタイムスケールによる。密度が上がるとタイムスケー ルが長くなるような場合には、大雑把にいってかなり大きなものが全体として 収縮していく。
これに対し、恒星系に対応する場合では、密度が上がるとタイムスケー ルが短くなる。この時は、密度の高い「コア」が出来、それがどんどん収縮を 続けるということになる。これに関する詳細な解析は Lynden-Bell & Eggleton (1980, MNRAS 191, 483) に与えられているので以下考え方だけを示 す。
自己相似解というのは、ある物理量 が
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自己相似解ということで、いろんな無次元量は一定と考えられる。特に、今コ
アというものを考えて、その半径を とすれば
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実際に とかを求めるには、やはり固有値問題をとくことになる。
Lynden-Bell & Eggleton は実際にといて、
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実は、このあたりの進化、すなわち重力熱力学的不安定や自己相似解について は、ガス近似、FP計算、体の間の一致は素晴らしくよい。ガスではうまく 表現出来なくなるのは、質量分布がある場合、非等方性が発達する場合等であ る。