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Lane-Emden方程式(
)を境界値問題として解いてみよう。
適当なフィッティングポイント
を設け、
中心からフィッティングポイントまでの解は前節で解説した通りの方法で求め、
その解に、表面、即ち
となる
から
積分してきた解が、このフィッティングポイントで一致するようにすれば良い。
表面からの積分は
の値を決めた上で行わなければならないのは言うまでもない
が、微分方程式は2階だから、
での初期条件が2つ必要である。
その1つは
だが、もう1つの
は最初はわからない。
そこで、
とそこでの
の値をパラメーターとして与えてやれば、
外側の解をこの2つのパラメーターの関数として扱う事が出来る。
,
とし、
と
を中心からの積分で求めた
での値、
と
を表面からの積分で求めた
での値としよう。内側の解はユニークに決まっている。
一方、外側の解は
と
そこでの
の値に依存している。
全体の解となるには、
で
 |
(9) |
 |
(10) |
が満たされなければならない。
手順としては、
先ず、適当に選んだ
と
に対する
と
を
求める。
次に、
の値を変えずに、
を
から
に変えて、
及び
の変化量を求める。
同様に、
の値を変えずに、
を
から
に変えて、
及び
の変化量を求める。
これから
![\begin{displaymath}
\partial Y/\partial x =
[Y(x_{\rm t}+\delta x,z_{\rm t})-Y(x_{\rm t},z_{\rm t})]/\delta x
\end{displaymath}](img49.png) |
(11) |
![\begin{displaymath}
\partial Y/\partial z =
[Y(x_{\rm t},z_{\rm t}+\delta z)-Y(x_{\rm t},z_{\rm t})]/\delta z
\end{displaymath}](img50.png) |
(12) |
を数値的に求める。
今、
、
の値が、真の解
,
から
,
ずれているとすると、1次の精度で、
 |
(13) |
 |
(14) |
となる。そこで、上の2式から
と
を求め、
を改めて
,
を改めて
として、
,
が充分小さくなるまで、逐次計算を繰り返せば良い。
境界値問題として、Lane-Emden方程式を解け。
Jun Makino
平成15年6月5日