next up previous contents
Next: 4 ファイルの階層構造 Up: 2 計算機入門 Previous: 2 ブラウザ

Subsections


3 エディター入門

1 Emacs の場合

Emacs と呼ばれるエディタを使って、以下のような ファイル sphere.f を作成してみよう。このファイルは、第4章 で解説する、FORTRANという計算機言語で書かれた、 球の半径から、球の表面積と体積を求めるための、計算プログラムである。 取り敢えず、今はその内容は理解しなくて良い。エディタで、ファイルを作成出来る ようになることが、まず肝要である。

ログインした後、右側のウィンドウ内にマウスカーソルを移動させて、 Emacs をアクティブにしよう。 もし、Emacsのウィンドウが画面に表示されていない場合には、 ターミナルウィンドウで

% emacs sphere.f &
と入力して見よう。 初期画面は、Emacs のチュートリアルに関する説明の画面になっている。 リターンキーを叩くと、画面は更新され、新しくファイルを編集出来る状態になる。 カーソルを1行目の6文字目まで移動させるために、スペー スキーを叩く [*]。 そこからは、以下のプログラムsphere.fの各文字を入力する。 入力ミスした文字を消去するには、DELキーを押す。 行替えはリターンキーを押す。

      Program sphere
      Implicit NONE
c constant:
      Real PI
      Parameter (PI=3.141593)
c local variable:
      Real radius
      Real area, volume
c begin:
      radius = 10.0
      area   = 4. * PI * radius**2
      volume = area * radius /3.
      Write(*,*) 'radius:',radius
      Write(*,*) ' surface area =',area,' volume =',volume
c end:
      Stop
      End

新たにファイルを編集するのではなく、既存のファイルを編集する時には、 コントロールキーを押しながらxを押し、続けて 再びコントロールキーを押しながら fを押す。するとファイル名を聞いてく るので、ファイル名を入力する。

Emacs で特徴的なのは、

ことである。 最下行のメッセージ行は、ユーザーからのコマンドを受け付るためにも利用され、 ユーザーは、これを使うことにより、Emacsを抜けることなく、様々な仕事が出来る ようになっている。 反面、エディターとしては、他のエディターよりも重くなっており、 不満を感じる人もいるであろう。


Table 2.1: Emacs で頻繁に使う主なキー操作
操作 コマンド 操作 コマンド
カーソルを右の文字へ Ctrl-f 領域カット開始位置の指定 Ctrl-【space】
カーソルを左の文字へ Ctrl-b 領域カット修了位置の指定 カーソルで移動
カーソルを上の文字へ Ctrl-p 領域カットの実行 Ctrl-w
カーソルを下の文字へ Ctrl-n ペーストの実行 Ctrl-y
行の先頭へ Ctrl-a ファイルの読み込み Ctrl-x Ctrl-f
行の末尾へ Ctrl-e 画面の分割 Ctrl-x 2
次の画面へ Ctrl-v 他の画面に移動 Ctrl-x o
前の画面へ Esc v 画面をひとつに Ctrl-x 1
ファイルの先頭へ Esc $<$ バッファの切り替え Ctrl-x b
ファイルの末尾へ Esc $>$ 保存して修了 Ctrl-x Ctrl-s
$n$ 行目へ Esc x goto-line 保存せずに修了 Ctrl-x Ctrl-c
カーソルの前の文字の消去 DEL 指定ファイルに保存 Ctrl-x Ctrl-w
カーソルの位置にある文字の消去 Ctrl-d ファイルの読み込み Ctrl-x Ctrl-f
カーソルから行末までの消去 Ctrl-k ファイルの挿入 Ctrl-x i
    操作の取り消し Ctrl-x u
      Ctrl-_

Emacsで頻繁に使う主なキー操作を表2.1に掲げる。ただし、Ctrl-文字は、コント ロールキーを押したまま、その文字キーを押す事を意味する事とし、Esc 文字は、 エスケープキーを押した後その文字キーを押す事を意味するものとする [*]

無事にプログラムを入力し終えたなら、これをファイルとしてセーブしておかねばな らない。コントロールキーを押しながら、xキーを押したあと、 再びコントロールキーを押しながら、sキーを押すと、 sphere.fなるファイルとして内容が保存される。 長い ファイルをエディットする時には、途中で何度もセーブするように心掛けよう。

Emacs を自習するためのチュートリアルがある。 Emacs の画面で コントロールキーを押しながら、hキーを押したあと、t或いは Tを押すと チュートリアルが現れる。

2 vi の場合

vi と呼ばれるエディターは、UNIX に標準的に付いて来るエディターである。 先ず、マウスを移動させて、ターミナルウィンドウをアクティブにしよう。 そして、ターミナルウィンドウで、
% vi filename
と入力してみよう。画面は一変し、最下行に "filename"と現れ、それ以外の行は 左端に~ が出ている。vi は、Emacs と違っていきなり文字を入力する事は出来ない。 文字を受け付させるために、先ずiと打ってリターンキーを叩く。 これは、今後タイプする文字をエディターに insert させる、という意味のコマンドで ある。コマンドであるから、文字iは画面には出ない。以後、適当に文字を入力 する。 改行はリターンキーである。入力を止めるのも、そのためのコマンドを打つ。 これはEsc キーだ。このキーを打つと、その後の文字は、入力されない。 カーソルの移動は、表2.2のキーで行う。


Table 2.2: vi で頻繁に使う主なキー操作
操作 コマンド 操作 コマンド
カーソルを右の文字へ l カーソルの後に付け加える a
カーソルを左の文字へ h カーソル行の上に付け加える O
カーソルを上の文字へ k カーソル行の下に付け加える o
カーソルを下の文字へ j カーソルの前の文字の消去 Backspace
次の画面へ Ctrl-f カーソルの位置にある文字の消去 x
前の画面へ Ctrl-b カーソルのある行末の消去 dd
ファイルの先頭へ 1G $n$行-$m$行をカーソル行の後ろに :$n$,$m$m
ファイルの末尾へ G $n$行-$m$行の領域カット :$n$,$m$d
$n$ 行目へ $n$G $n$行-$m$行のバッファーへの書き :$n$,$m$w ファイル名
カーソルのある行番号を知る Ctrl-g ファイルの読み込み :r ファイル名
保存して修了 :wq 文字列の探索 /文字列
保存せずに修了 :q 文字列の置換 :s/旧文字列/新文字列


next up previous contents
Next: 4 ファイルの階層構造 Up: 2 計算機入門 Previous: 2 ブラウザ
Jun Makino
平成15年4月17日