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1 フィッティング法

境界値問題の中でも固有値問題は様々な物理的問題で登場する。 古典物理の問題での弦の振動の問題や、量子力学の(定常状態に対する) Schrödinger方程式を思い浮かべれば、その事は明らかであろう。 波動方程式
\begin{displaymath}
{{d^2y}\over{dx^2}}+k^2 y=0
\end{displaymath} (247)

を、$x=0$$y=0$$x=L$$y=0$という条件の下に解く事を考える。 適当な固有値$k^2$を仮定すると、この問題は前のセクションで扱った境界値問題とし て扱う事が出来る。すなわち、$x=0$での $dy/dx$を与えて、$x=0$から $x=L$まで、初期値問題として積分していき、$y(x=L)$$0$になるかどうかを見れば 良い。 任意の $k^2$に対して、$y(L)=0$は満たされず、特定の $k^2$の値の場合のみ、 $y(L)=0$が満たされる。 丁度 $y(x=L)=0$を満たすとき、その仮定した $k^2$は固有値であり、解$y(x)$が 固有関数である。 固有値問題では、解の形は固有解としてユニークに決まるが、解の絶対値は 不定なので規格化の自由度が残る。$x=0$での$dy/dx$を自由に与える事は、 規格化を自由にしている事に対応する。

1 問題


\begin{displaymath}
{{d^2y}\over{dx^2}}+k^2 y=0
\end{displaymath} (248)

を、$x=0$$y=0$$x=\pi$$y=0$という条件の下に数値的に解け。



Jun Makino
平成15年4月17日