レポートを清書するのに、ワークステーションを使おう。清書システムとして、 LATEXが よく使われる。文書を必要なコマンドと共にテキストファイルとして編集したものに、 LATEXを掛けると
| 操作 | コマンド | 操作 | コマンド |
| 次の変換候補 | スペ−スキ− | 文節を長くする | Ctrl-o |
| 前の変換候補 | Ctrl-p | 文節を短くする | Ctrl-i |
| 右の文節へ | Ctrl-f | 確定 | リタ−ンキ− |
| 左の文節へ | Ctrl-b | 変換モ−ドから抜ける | Ctrl- |
\documentstyle[epsfig]{jarticle}
\textheight 20.cm
\textwidth 15cm
\hoffset -2cm
\voffset -2cm
\oddsidemargin 3.2cm
\evensidemargin 2.0cm
\pagestyle{headings}
\title{計算天文学レポート I}
\author{橋本 龍太郎\\
(学生証番号 S10101)}
\begin{document}
\maketitle
\begin{abstract}
簡単なアブストラクトを付けよう。
\end{abstract}
\section{はじめに}
こうして本文を書き始める。マージンなど
気にすることなく、
書いてよい。
段落を変えるときは、1行空白行を入れる。文の中に数学表現が入るときには、
$\sin\theta$のように書く。
数式は
\begin{equation}
B(T) = {{2\pi h \nu^3}\over{c^2}}
{{1}\over{\exp{h\nu/kT}-1}}
\end{equation}
のように書く。式の番号は自動的に付く。
\begin{equation}
B(T) = {{2\pi h c^5}\over{\lambda^5}}
{{1}\over{\exp{hc/\lambda kT}-1}}
\label{Planck}
\end{equation}
のように式に名前を付けると、数式(\ref{Planck})のように、本文中で
式を引用する際に式の番号が自動的にリファーされる。
\section{数式表現}
ギリシャ文字は
$
\alpha \beta \gamma \delta
$
等と書き、数学記号は
$
\cos \sin \tan \exp \circ \bullet \cdot \odot \leq \geq \ll \gg \simeq \propto
$
のように書く。次のような記号もよく使う。
$
\leftarrow \rightarrow \infty \sum \int \Re \Im
$
\section{箇条書き}
箇条書きは、番号を付けるときは、
\begin{enumerate}
\item 最初の項目
\item 次の項目
\begin{enumerate}
\item 最初の小項目
\item 次の小項目
\end{enumerate}
\end{enumerate}
のように書き、番号を付けないときには、
\begin{itemize}
\item 最初の項目
\item 次の項目とし、
\begin{itemize}
\item 最初の小項目
\item 次の小項目
\end{itemize}
\end{itemize}
のように書く。
\section{表}
表を書くには次のようにする。
\begin{table}[h]
\caption{表の例:キャプションも自動的に入る。}
\begin{center}
\begin{tabular}{lcc}\hline\hline
項目 & 格納形式 & 行中の位置 \\ \hline
HR番号 & I4 & 1 -- 4 \\
名前 & A7 & 8 -- 14 \\
実視等級 & F5.2 & 109 -- 113 \\
スペクトル型 & A2 & 137 -- 138 \\
視差 & F5.3 & 170 -- 174 \\ \hline
\end{tabular}
\end{center}
\label{tab9}
\end{table}
表の名前を付けておくと、文中で、表\ref{tab9}のように引用することができる。
\section{ポストスクリプト形式の図の取り込み}
ポストスクリプト形式の図のヘッダー部分に図の大きさなどの情報が書かれている
EPS形式のファイル (ここでは bb.ps という名前のファイルであるとしよう。)
は次のようにして文中に取り込むことができる。
\begin{figure}[t]
\begin{center}
\leavevmode
\centerline{\epsfig{file=bb.ps,width=9.5cm}}
\caption{キャプションは自動的に取り入れられる。}
\end{center}
\end{figure}
図の大きさは原図によらずに、epsfile の中の記述で自由に変えることができる。
図の位置は、LaTeX が適当に決めてくれる。
GNUPLOTで、結果をEPS 形式のファイルとして保存するには、ターミナルタイプを
gnuplot> set term postscript eps
と指定する。
図に仮の名前を付けておくと、文中で図\ref{bb_ps} のように引用することができる。
こうして書いた文書ファイルは\end{document}で終わる。
\end{document}
さて、こうして作成したLATEX用ファイルを sample.tex としよう。 コマンド platex を実行する。
% platex sample.texは省略してよい。エラーが無ければ、sample.dvi sample.log sample.aux というファイルが作成される。もう一度 コマンド platex を実行することによって、文中で仮の名前で引用した数式や表や 図が正しく番号で引用されるようになる。
sample.dviが作成されたら、コマンドxdviを使って、画面の上で、 清書された 結果を眺めてみよう。コマンドは
% xdvi sample &だ。ここでのsampleは、sample.dviのことである。.dviは 省略してよい。 画面には格子が現れるので、マウスで位置を決めて左ボタンを押す。すると、 画面上には、 清書結果が表示されると同時に、右方には「ページを進める」「ページを戻る」等の メニューが表示される。マウスカーソルを清書結果の適当な文字のところに移動させて、 中ボタンを押すと、その部分を拡大表示して見ることができる。 図は、外枠だけが表示されている筈だ。その状態で、コントロール記号を 押しながらgを押すと(Ctrl-g)、図が表示される。
表示された清書結果に不満があれば、エディターでsample.texファイルを修正し、 一連の作業を繰り返す。 清書結果が満足出来る状態になったならば、
% dvi2ps sample | lprとすると、プリンターに出力させることができる。 以下に出力例を示す。
奥村晴彦:LaTeX入門(技術評論社)