ちょっとここで話を変えて、非線形 Landau Damping というものを考えてみる。 これはつまり、摂動の作る重力が無視出来ないような時にその摂動がどう振舞 うかということである。
この解析は実は結構難しい。というのは、もともと線形 Landau damping とい うか phase mixing というものはあるので、非線形性が効くかどうかに無関係 に摂動はどんどん減衰していくからである。しかし、とりあえず、非線形な効 果を考えるとどんなことが 起きるかをちょっと整理してみる。
今、とにかくポテンシャルの波というのがあって、速度 で動いている とする。これに対して速度 で動いている粒子があるとしよう。この粒子 と波の相互作用というものを考えてみる。
今、 、つまり大体同じ速さで動いていることにすると、粒子 はその波に対する相対的位置によって受ける力の方向が変わる。波に対して遅 れていれば引っ張られるし、そうでなければ減速される。このため、初期にど ういう位相にいたかによって、大きくエネルギーをもらったり失ったりするも のがあることになる。
ただし、波が無限に長い間維持されていれば、無制限にエネルギーをやりとり 出来るわけではない。これは、座標変換して波が止まっている座標でみれば当 然のことで、あるポテンシャルの谷のなかに止まっているか、それとも超えて 動いていくかのどちらかであって平均すればエネルギーのやりとりは起きない ことになる。