使用する計算機は、3号館3階の315号室に配置されている。 この部屋には、 天文学教室所有の学生用ワークステーション群 とネットワーク接続されているポストスクリプトプリンター1台が配備されている。 この講義では、これらの機器を活用することにす る。
計算機は電気製品ではあるが、ワークステーションの電源は入り っぱなしで、常に ON のままである。間違っても、これらの電源を無断で切ってはい けない。ワークステーションはパソコンとは違い、勝手にスイッチを切ってはいけな いのだ。
カーソルが Login: の直後にある状態で、ユーザー名を入力してリターンキー を押す。 すると、カーソルが Password: の直後に移動するので、パスワードを入力して、 リターンキーを押す。この時、入力したパスワードの文字列は画面には表示されない。 ユーザー名、パスワード名の両方とも正しければ、コンソールウィンドウとターミナル ウィンドウがいくつか開き、それぞれにプロンプトが表示される。
ここで接続した計算機サーバーは、FreeBSDというUNIXを OSとしている。UNIX は、ベル研の研究者達が開発したOSで、基本的には商用ではない ために、利用者側の経済負担は少ない。 そのコストパフォーマンスの良さのために、特に大学、研究所に広く 使われ、ユーザの拡大が優れたフリーのソフトウェアを産み、それがために、利用環 境が良くなり、よりユーザが増えるという図式を生んだ。 UNIX の特徴は、一社独占のOS ではなく、 SUN、HP、IBM、DEC、... 等、色々なメーカーが UNIXをOSとする計算機をリリースし ている事である。それゆえ、使用環境は、大雑把にいえば、どの計算機でも似ており、 使う計算機が変わっても直ぐに慣れるという利点がある。 但し、UNIX といえども、各社によってそれぞれ方言があり、全く同一という訳ではな い。 天文学教室の学生用ワークステーションのOSであるFreeBSDや、Linux と呼ばれる UNIX は、IBM互換のパソコンで動くOSである。
ログインすると自動的にXウィンドウシステムが起動され、 標準設定では画面上に3つのウィンドウが開かれる。このうち、左上の ウィンドウは、コンソールウィンドウで、ふだんは使わない。 左下の大きなウィンドウは、ターミナルウィンドウで、このウィンドウから色々な コマンドを入力して計算機を操作することができる。 右側のウィンドウは後で述べる Emacs というエディタのウィンドウで、ファイルの 編集等をこのウィンドウで行う。
ウインドウシステムでは、利用者からの入力装置として、キーボードとマウスを用 いる。画面にはマウスの動きに応じて移動する×印が表示されている。ウィンドウ が複数開いている時、キーボードからの入力は、どのウィンドウに対してなされる だろうか。通常は、キーボードからの入力は、マウスのカーソルを中に含む ウィンドウに、送られる。ウィンドウのカーソルは、中にマウスのカーソルを含む 時は黒く塗り潰されたブロックで表示され、そうでない時には、白く表示され、一見 して違いが判るようになっている。
%が現れている。これは、計算機がユーザーからの入力を待っている状態である事を 表すもので、% をプロンプトと呼んでいる。 この状態で、小文字で
% passwdとタイプして、リターンキーを叩くと、
% Old password:と聞いてくるので、初期パスワードを入力する。パスワードなので、 画面には文字は現れない。リターンキーを叩くと
% New password:となるので、新しいパスワードを入力する。パスワードは英数6文字以上である必要 がある。リターンキーを叩くと
% Retype new password:となるので、新しいパスワードを再び入力して、リターンキーを叩くと、パスワード の変更がなされた旨のメッセージが現れる。次回からは、この新しいパスワードを 使用する。パスワードは、覚え易いものでなければならないが、辞書に出ている英語 の単語を使うのはやめよう。悪意のあるハッカーに、パスワードを盗まれる可能性が あるからである。また、同じパスワードを長く使い続けるのも好ましくなく、頻繁に 変更するようにしよう。