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1 はじめに

今や、計算機は天文学の研究を進めていく上で欠く事のできない道具である。 計算に使うだけではない。 計算機はネットワークになっていて世界中の計算機と交信できるようになっており、 コミュニケーションの道具としても欠かせない。 毎日、研究室に入ったら最初にする仕事は、計算機にログ インしてメイルを読む事であり、必要な返事を書く事である。 自分の研究を進める時、複雑な数値計算を行う際は勿論計算機を使う。 それだけではない。複雑な解析表現を扱う時にも計算機を使う。 数値計算の結果は視覚化して眺めたり、発表に使う。 図だけではない。動画にしたりもする。 実験や観測のデータ処理にも計算機は不可欠だ。 共同研究者とのやり取りには計算機のメイルを頻繁に使う。文字を使うメイルに留ま らず、最近では音声を使った計算機メイルも使える。 いよいよ論文を書く際には、ワープロとして計算機を使う。 グラフも同時に処理できる。論文中に引用する関係論文の情報は、やはり計算機で検 索する。検索はネットワークを使って行っているから、データベースはいつも最新だ。 ネットワーク以前の時代には、Springer 発行の Astronomy Astrophysics Abstracts で検索するのが、普通だったが、いまや、論文の検索はネットワークの利用に限る。 160,000もの天文学・宇宙科学の論文のアブストラクトを、 著者名、キーワード、雑誌名、年号などで、Webで検索出来る [*]。 論文の投稿もメイルで行ない、プレプリントはネットワークのデータベースで公開さ れる[*]。 出版される雑誌も、ネットワークで公開される場合が多くなっているし [*]例えば、Astrophysical Journal (http://www.journals.uchicago.edu/ApJ/journal/)、
Astronomical Journal (http://www.journals.uchicago.edu/AJ/journal/)、



Jun Makino
平成15年4月17日