前回、
まあ、要するに、日本以外はどこも、一つだけの国家プロジェクトにお金を
全部いれて、他の芽をつぶすようなことはしていない、というだけのことの
ような気もします。
というようなことを書いたわけですが、まあ、その、日本は相変わらずである、
というのを象徴するような予算枠ができました。ポストペタスケールの計算機
を開発するのではなくて、それはまだどういうのかわからないけどそれに役に立つかもしれないシステムソフトウェ
アを開発する、という極めて謎な研究領域です。ポストペタスケールがどうい
う計算機になるか、するか、の研究にはお金をつけてはいけないけど、何か
はしないと、というようなところで始まったのかなと善意にとると解釈でき
ないこともないかもしれないようなものですね。
中国では、「GPU クラスタを作ってなんかしろ」というので CAS からいきなり
お金がふってくるんだそうで、それはそれでどうなんだろうという気がします。
色々話を聞くと官僚的な非合理性みたいなのも一杯あるので。計算機の話では
ありませんが、LAMOST という、技術的には最先端で規模も結構大きな望遠鏡が
できたところです。これがどういうわけか北京から近い、晴天率もシーイング
も悪くてさらに夜空が明るくてどうにもならないようなところに作られていた
りします。天文学をする、という観点からは相当駄目な決定がどこか上のほう
でなされてしまうわけですね。
中国のことはさておくとして、日本はこんな調子で、お金はあるのに政治なの
かなんなのかよくわからないところで不可思議な決定がなされてしまうわけで
す。できればこの予算がなにかしら意味がある成果につながるようにしたいも
のです。皆様よろしくお願いします。