29. パブコメ:原子力災害対策指針(改定原案)及び原子力災害対策特別措置法に基づき原子力防災管理者が通報すべき事象等に関する規則の一部を改正する規則(案)に対する意見募集について(2015/4/3)
パブコメ:原子力災害対策指針(改定原案)及び原子力災害対策特別措置法に基づき原子力防災管理者が通報すべき事象等に関する規則の一部を改正する規則(案)に対する意見募集について
というものがでています。〆切は 2015/4/3 です。
既にstudy2007 さんによる まとめ がありますが、一応私が送った文章を以下に。ちょっと感情的になって
てよくないかもしれません。
本指針改訂案は国が原発事故に際して国民を守る責任を放棄し、被曝するに任
せるものであり、このまま実施されてはならないと考えます。その理由は以下
の通りです。
まず、新旧対照表のP5 最初で「また、国は緊急時モニタリングの結果の集約、
関係者間での共有及び公表を迅速に行うための体制を整備する。」と述べてい
ます。これは旧指針にあった緊急時モニタリングの結果を「解析評価」する、
という項目、「気象データや大気中拡散解析の結果を参考にする」という記載
を削除したものであり、事故発生時期に国は状況の解析も評価もしない、また
気象データも参考にしないし大気中拡散解析も行わない、と述べているわけで
す。
これは、近年急速に発展し、精度を向上させてきた局所気象予測をあえて無視
する、という、極めて非科学的な態度であり、到底受け入れることができるも
のではありません。
福島第一の事故において、SPEEDI の予測を役立てることが可能であったかどう
かについては様々な議論がありますが、ほぼ明らかなことは、SPEEDI の予測の
不定性はほぼソースタームの不定性、つまり、いつ、どれだけの放出が起こる
か、という事故の進展の予測の困難さによるものだった、ということです。拡
散解析を緊急時対応に役立てるためには放出量の事前把握、ベントによる制御、
あるいは発電所サイトにおける測定が重要なのであって、それらが不明であっ
たから拡散解析自体を廃止する、というのは狂気の沙汰であると考えます。
さらに、 P6には 「原子力施設から著しく異常な水準で放射性物質が放出され、
又はそのおそれがある場合には、施設の状況や放射性物質の放出状況を踏まえ、
必要に応じて予防的防護措置を実施した範囲以外においても屋内退避を実施す
る。」「その後、緊急時モニタリングの結果等を踏まえて、予防的防護措置を
実施した範囲以外においても、避難や一時移転、飲食物摂取制限等の防護措置
を行う」とあります。これは、予測を行わないので、予防的な避難はUPZ外では
決して行わず、実際に線量が上がったところで初めて避難を検討する、として
います。これはもちろん、予測を行わない、という狂気から導かれる論理的必
然ですが、やはり狂気の沙汰であると考えます。