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![]() 国立天文台教授が科研費で「神頼み」、お札購入に流用太陽観測の権威として知られる国立天文台(東京都三鷹市)の男性教授(51)が、1998年から4年間に文部科学省から受けた科学研究費補助金 (科研費)のうち、研究を手伝う大学院生に支払う「謝金」と報告していた計185万円を不正流用していたことが10日、わかった。 教授はこの補助金を、今年9月に打ち上げられる予定の太陽観測衛星での実験成功を祈る祈願料などに充てていた。今月7日、同天文台から流用の中間報告を受けた文部科学省は、「神頼みなどに科研費は使えない」として、今後、返還請求や教授の処分を検討する。 教授に対する科研費は、太陽観測衛星「ソーラーB」に搭載する望遠鏡の開発のため、4年間に支給された3440万円のうち、185万円は、研究を手伝った大学院生の日当として払う「謝金」として報告していた。 しかし実際には教授はこの「謝金」を、会議の際の飲食代やタクシー代、研究メンバーの結婚式の際の祝電代などに使っていた。また太陽観測衛星に積み込む望遠鏡での観測実験成功を祈るため、秩父神社(埼玉県秩父市)のお札を8000円で購入した。 「科研費を流用している」と外部の指摘を受け、同天文台は6月13日に調査委を設置。科研費の使途を文科省に報告する書類に不自然な点があったこ とから、不正流用が確認された。同天文台の調査で、教授は、いったん「謝金」として大学院生の銀行口座に振り込まれた金を、自分自身に返金させるなどして いたことも分かった。不正流用を裏付ける教授のメールも残されていた。 教授は10日、読売新聞の取材に対し、「研究の一環として認められると思っていたが、目的外使用と指摘されればその通り」と流用の事実を認めた。 またお札の購入については「望遠鏡の開発実験のためだけで1、2年費やしており、何としても成功したかったので買った」と釈明している。 これに対し、文科省は「科研費の目的外使用については周知徹底を図っていたつもりだが、残念」としたうえで、「研究に付随するものは申請すれば認められるが、(お札などは)常識で判断してもらわないと……」と話している。 教授は東大卒。第2号太陽観測衛星「ようこう」(91年打ち上げ)の軟エックス線望遠鏡の開発の中心メンバーとなった。96年に同天文台の教授に 着任し、現在、「ソーラーB推進室長」を務めている。国立天文台は、東京都三鷹市にある国内最大の宇宙観測拠点。約260人の研究スタッフを抱え、国内の ほかハワイにも観測所を持ち、海外との共同研究も多数手掛けている。 教授がお札を買っていた秩父神社は、「星の神様」とされる「妙見様」という女神をまつっている。 小暮智一・京都大名誉教授(天文学)は「今回のケースは明らかに『研究目的』から外れており、少額といっても許されるものではない。だが、研究者は長い時間をかけて一つの実験に没頭することが多く、神頼みしたくなる気持ちは理解できる」と話している。 (2006年7月11日3時2分 読売新聞)
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