2003 年 4 月 25 日


東京大学の学生・教職員の皆様へ


重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する勧告


総 長 佐々木 毅



この文書は東京大学の関係者に向けて、厚生労働省と世界健康機関(WHO)の指針に基づき SARS への対応を示すものです。

SARS とは、38℃ 以上の発熱および咳や息切れなどの呼吸器症状で発症する呼吸器疾患です。主な感染経路は人から人へであり、SARS 患者との濃厚接触によると考えられています。SARS を発症した患者の多くは、SARS 患者の診療や介護に関わったか、一緒に生活していた人達です。SARS患者の喀痰などの体液、すなわち感染性がある体液に接触したと考えられます。よって SARS を予防するには頻回に手を洗うことが必要です。

SARS についてのさらに詳しい情報は厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/)、国立感染症研究所・感染症情報センター(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)、WHO (http://www.who.int/csr/sars/en/) の各ホームページから得られますが、これらのホームページは順次更新されており、SARS の伝播確認地域を知ることも出来ます。


厚生労働省は中国の広東省、北京、山西省、香港特別行政区、カナダのトロントへの渡航延期を勧告しています。東京大学としてもSARS 感染拡大の可能性を最小限にとどめるため、学生・教職員の皆様の中で、中国の北京、広東省、山西省、内モンゴル自治区、香港特別行政区、そしてシンガポール、ベトナムのハノイ、カナダのトロントへの旅行を計画している方がいる場合は、渡航を延期するよう強く勧告します。


SARS伝播確認地域から帰国した場合、10日間は自身の健康状態を観察する必要があります。そしてもしこの期間に、本人またはその家族が呼吸器症状に関わらず発熱を認めた場合は、他の人々への感染を最小限にするため、あらかじめ最寄りの保健所など医療機関に電話で連絡し受診等の指示を受ける必要があります。


SARSについて不安をお持ちの方は、裏面のチェックリストにより対応して下さい。