つっても、非公開のを別につけているわけではない。
Copyright 1999- Jun Makino
2004/01 2003/12 2003/11 2003/10 2003/09 2003/08 2003/07 2003/06 2003/05 2003/04 2003/03 2003/02 2003/01当面の予定
と、それはともかく。成果は画期的というかなんというかなかなか素晴らしい ものだと思う。発表の形式と発表者の態度(無作法とかそういうのじゃなくて、 聴衆に理解してもらおうという意欲があるのかこいつは?みたいな)には大き な問題があったけど。
「短期研究者ビザを」 「ではこれに記入してください」で、書類はこちらの自宅・勤務先と受け入れ先の住所・電話番号くらい。まあ、 何故生まれた県とか両親の名前とか書かないといけないのかがいまいちわから ないが、、、あと、「健康保険にはいってます」という書式に日本語とフラン ス語の両方でサインしないといけない。でも、まあ、それくらいでパスポート と書類をとられて、1週間後に取りにこいとのことであった。
Prov. Des. q Q H Epoch M Peri. Node Incl. e a Opps. Ref. 2001 QG298 31.671 46.717 6.3 20040714 348.9 211.8 162.6 6.5 0.192 39.194 2 MPO 38321 type name arc q i e Q H RA Dec r elong Vmag ---- ------------------ ------ ---- -- ---- ---- --- ----- --- --- --- ---- plu 2001 QG298 (65 d) 31.7 6 0.18 46 6.1 23 40 -03 32 166 21.2
なんか違う気がするが、なんだろう?ちょっと落ち着いて考えてみないと。
研究科長のところに直接持っていってはいかんのかという気もしなくはないが、 あくまでも所属機関の推薦書であって研究科長個人の推薦書ではないような気 もするのでとりあえず事務を通すことに。なんかこういうのって良くわからな いの。
「もしもし」で日本語モードに変化。
短期研究者ビザについて、、、とか聞くと、ビザについての問い合わせはフラ ンス語か英語で 1時から3時の間にとのこと。さて、なにが起こるでしょうか? (11:45記)
で、2時頃に電話。「担当が今電話中なので5分ほどでもう一度電話を」とのこ と。
で、もう一度電話。今度は素晴らしくフランスなまりな英語を話す担当者 につながる。以下は要領を得ない会話のうち意味があるメッセージのみ:
「visa for short-term researcher の件で質問があるのですが」
「どういうこと?」
「日本の所属機関からの推薦状がいるとのことですが」
「そう、フランスからと日本からの推薦状があればOKね」
「あ、で、日本からの推薦状には書式とか必要事項とかあるんでしょうか?」
「あー、この人がフランスにいきますということが書いてあれば OK よ」
「あ、そうですか、どうも」
というわけで大学から推薦状を獲得する必要がある。これはどこ/だれに聞く べきかなんてことはもちろんわからないが、とりあえず研究協力掛に聞くと向 こうも良くわかんないけど多分自分とこの仕事であろうというので調べてくれ ることに。 さて、出国までにビザは間に合うのか?次回を待て!
0304+379 Mannes et al 2003解釈が連星系しかないというのは無理な気がするけど、面白い結果ではある。 10^7 Msun で 100 年。ジェットのふれが1度くらい。
2Mpc sphere Ndm, Ng は 40k くらい Cooling, star formation, SN feedback softening 0.7kpc and 0.3kpc for DM and G DM 10^7 Msun Dwarf 10^10 Msun DMま、私が判定しないといけないわけじゃない。
Postdoctoral Position in Computational Astrophysics The Rochester Institute of Technology invites applications for a Postdoctoral Fellow in Computational Astrophysics to join David Merritt and the growing astrophysics group at RIT. The successful applicant will conduct research in the field of galaxy evolution, with a focus on the dynamics of galactic nuclei containing supermassive black holes. Demonstrable skill in one or more of the following areas is desirable: (a) distributed computing; (b) N-body algorithms, particularly direct- summation codes; (c) numerical gas dynamics; (d) use of the GRAPE special-purpose computers. The computing environment at RIT is one of the best in the world for astrophysical dynamics, including a GRAPE-6 computer; a GRAPE cluster, currently with 8 nodes, each containing a GRAPE-6Af accelerator board; and a 104-node Beowulf cluster with 1 TByte of memory. The GRAPE cluster is the first facility of its kind anywhere in the world. Interested candidates should send a CV and brief statement describing their research interests, and arrange for 2-3 letters of reference to be sent to David Merritt. Email submissions are strongly encouraged and should be sent BOTH to merritt@mail.rit.edu AND to merritt@physics.rutgers.edu. This two-year appointment can commence at any time prior to 1 October 2004. Applications will continue to receive full consideration until the position is filled. David Merritt Physics Department Rochester Institute of Technology 84 Lomb Memorial Drive Rochester, NY 14623 merritt@physics.rutgers.edu merritt@mail.rit.edu http://astrophysics.rit.edu私のレファレンスレターはそれなりに役に立つと思うので、欲しい人はご連絡を。
なんかオヤジギャグである。やーね。
なんだか大変である。改革というものが目的が見失なわれてしかし名前だけが 残ってる見本みたい。
別に自己重力系だからといって熱力学がなりたたないとかそういうことがある わけではないし、(Orbit-averaged) Fokker-Planck 方程式で熱力学的な進化 はほぼ完璧に記述できているわけで(球対称とかそういう仮定をしてよければ)、 別に新しい道具がいるわけではない、というか、そこで新しいなにかを持って くれば理解できるとか思うのは単に、熱力学的安定状態をもたない非平衡系と いうものを甘く見てるだけではないかなあ?
本質的な問題って、どんなもののことをさしていってるのかしら? "自己重力系" 本質的 問題でGoogle して一番上にでてくるものでは、私が
「重力系とはいえど、最終的にはisothermal(Boltmann-Gibbs)になるに決まっている」とかいってたりして。
まあ、この本では日本の宇宙開発におけるマネージメントの不在というか 対米追従というかそういうものが、特に衛星における失敗の原因であるという(H-II/H-IIA に関す る限り、新設計のロケットとして成功率が国際的にみて低いわけではないので、 技術的に問題があるとはいいがたい)もっともな指摘がなされているわ けだけど、 実はろくなマネージメントがなされていないのは日本の科学技術政策全体の問 題点なわけで、その中で宇宙開発が特に悪いということはないということもある。まあ、政治に引っ張り回される部分が大きいというのはあるか。
これが可積分系なら、 KAM 定理とかにたよって数値誤差があっても「正しい」 解の近くにいることが保証される(場合がある)と主張できるが、カオスだとそ ういうことはない。
そういうわけで、独立な時間積分コードと初期条件発生コードで計算した散乱 断面積がちゃんと一致するという理論的な根拠は実は存在しなくて、それにも かかわらずちゃんと一致したということは、カオス的な位相空間の中になんらかの 意味で KAM 的な「不変」な構造があるということを実験的に示したことになっ ているわけで、これはこれで面白いと、思ってくれませんかそうですか。
すばるの結果が論文になってないだけならともかく、 HST と Keck で同じこ とをやった論文がでちゃったし、、、そっちだけ引くとまとまるけど、なんか こう変だよね。
まあ、 Nature に論文がでたからって偉いわけではないけど、 Nature のほう でマスメディアに宣伝するし、大学のほうでもそういうのは宣伝しようという ふうになっているしでいろいろ大変だったのでした。
1/24 に Nature から掲載日が決まったという連絡がきたので、まず理学系と 総合文化研究科の広報になんかするかどうか伺いをたてる。理学系は勝彦さん が研究科長だった時に広報委員会が新しく作り直されて、専任職員もついて記 者発表とかはその人がいろいろ手配する(本部広報を通じて記者会見の案内を 流すとか、配布資料のコピーを作るとか、もろもろ。要するに、こちらは案内 の文案と当日の発表資料のオリジナルだけ作ればいい)ようになっている。
ここで「理学系は」とわざわざ書いたのは、つまり総合文化にはまだ現時点で はそういうシステムがないからで、まず誰に話をすればいいかも良くわからな い。というか、前に杉本が GRAPE-4 完成のお披露目をやった時には新聞社に FAX するとかも全部杉本がやってたような。というわけで、私が期待したのは、 First author の船渡さんが総合文化である以上、総合文化研究科の意向を無 視はできないけど、従来の事情からすると総合文化は研究科としてサポートし てくれるわけではないからそれなら理学系のほうでやればいいかな、、、とい うようなもの。
これがしかし大間違いであった。船渡さんが専攻の広報なんとかだったはずの 某氏に聞くと、「そういうは学部長補佐の xx さんに聞いて」とのお返事。で、 xxさんに聞くとそれは同じ 学部長補佐でも yy さんにとのこと。で、さらに yy さんに聞いたら(船渡さんはいい加減たらいまわしでうんざりしていたのではと思うが)、 yy さんはあんまり気合いが入ってなかったようなんだけど、何故か評議員の 兵頭さんに話が伝わって、これは是非総合文化研究科で記者会見をやらせてい ただきたいとかいう話に。
でも、専任の広報担当も事務もいないし経験もないし、、、というわけでいろ いろトラブルはあるわ、誰が何をするかちっともわからないわ、本部広報との 関係も誰が把握してるか???だわ、どういうわけか理学系でやった記者発表 の資料がこっちに回ってきて、「こういうふうに」と指示されるは(そんなのはこっ ちでもわかってるわけである)、、、と微妙にイライラすることが無数にあっ たけど、 まあ、とにかく、セッティングはなんとか。
で、何故か当日になっても発表資料ができてない人が発表者の内2人もいるわ、 そのせいもあって資料コピーがまにあわなくて発表者の一人が7分遅れてくる わ、20分の予定のところ話が延びるわ、、、とさらにいろんなことが。
でも、 Nature の名前の威力なのか、結果が面白いからか(後者の分もあると 思うが、、、、) 記者さんも結構熱心に聞いていてくれたような。どんな記事 がでるか(そもそも記事がでるか)、なかなか、、、
記事がどうなるかはともかく、 わざわざ三鷹から来てくださった渡部様、小久保様、本郷から来ていただいた 岡田様、鈴木様、その他の皆様、それから今回全体の面倒をみてくだ さった兵頭様、学部長補佐 yy 様、そしてもちろん久賀様、船渡様、どうもありがとう ございました/お疲れさまでした。
ちなみに Nature の場合、発行の1週間前にマスメディア各社に Nature から案内が回る ので、それからあまり遅れないように記者発表を設定するほうが、直前にやる より記者さんに優しいものになったかもしれない。朝刊の原稿の〆切が 夕方 5 時とかそれくらいなんだそうで。須藤さんのは月曜にやってたかな。それく らいか、火曜とかのがよかった。 (この辺まで 2/4記)
「ネイチャー」掲載論文数 (単位:件数) 出典:『大学ランキング2003年版』朝日新聞社 |
7大学平均 | 名古屋大学 | |
1991年 | 5.3 | 4 |
1992年 | 4.7 | 4 |
1993年 | 5.0 | 1 |
1994年 | 5.0 | 3 |
1995年 | 6.1 | 3 |
1996年 | 4.7 | 3 |
1997年 | 6.9 | 1 |
1998年 | 8.6 | 4 |
1999年 | 6.7 | 5 |
2000年 | 6.7 | 5 |
2001年 | 6.4 | 2 |
累 積 | 66.1 | 30 |
・ネイチャージャパンのホームページ(http://www.natureasia.com/)から転載。この表は1991年から2000年までの10年間にネイチャーに掲載された論文の著者の所属研究機関が大学であるものを調査しまとめたものです。1つの論文に複数の大学から著者がいる場合(多くの論文がそうである)は,それぞれの大学から1つの論文が掲載されたとして計算してある。(例えば,A大学から3人,B大学から3人の共著論文の場合は,A大学とB大学から各々論文が1つ掲載されたとしてある。)したがって,数字は各々の大学が何件の論文にかかわったかを示している。なお,ここでの機関とは,著者が論文中で自身の所属機関として明記したもの。 |
AK86-L MSI K8T Neo FSR PHOTON KV1 K8V Deluxeといった辺りかな。 AK86 か MSI だな。
そもそも TNO 連星というものの話を聞いたのは、 2002年6月の MODEST-I の 時だったと思う。これには船渡さんもいっていて、 Piet と3人で話していた 時に、 Piet がこういうのがあるけど知っているか?と Nature に出た 1998WW31 の連星の軌道決定の論文の話をした。
で、その時はちょうど SC2002 用の惑星形成の計算をということで小久保君と いろいろ相談(主にメイル)をしていた時で、そのついでに「こういうの知って る?」と聞いてみた。彼はもちろん知っていて、でも小惑星の衛星と似たよう なものと思っていたみたいだった。でも、観測の selection とか、、、と議 論していたら、ものすごく separation が大きいはずであると気がついて、あ れ?という話に。
つまり、この時点ではまだ誰も Nature の連星論文を読んでなかったわけだ。
で、論文読むのもいいけど専門家に聞くのが、、、ということで小久保君が渡 部さんに相談して、木下君にセミナーをしてもらうことに。これhが 2002/8/6. ここで初めて私は TNO 連星 1998WW31 がどんなにとんでもないものか理解し たんだったと思う。 つまり、
逆にいえば、 1998WW31 の性質は、衝突起源から予言されるものとはほとんど 正反対である。 というわけで、一体何故そんなものが?というのを木下君の セミナーのあといろいろ議論した。
議論の中で可能性としてでてきたのが、衝突起源の連星と第3体との相互作用。 これはつまり、小久保君は月の形成とかもやってて衝突起源の理論の専門家で あり、船渡さんはこのころ3連星の安定領域を調べるとかそういうことをやっ ていて 3 体相互作用でなんとかというのが頭にあり、また軌道長半径が大き いということで重力相互作用で作るしかない(衝突起源では無理)というのが確 実で、、、というのでうだうだ話をしててでてきたんだと思う。
これにはさらに、少なくともこの時の カイパーベルト領域は early runaway phase にあったと考えられるという前提があった。 early runaway では微惑 星の質量分布が -2.5 乗になるという、90年代初めから良く知られていて小久 保・井田の N 体計算でも綺麗にそうなっていた話があるわけだが、このべき の理由は理論的には牧野・福重・船渡・小久保とかいう論文で初めて示された ものである。でもって、この論文は不幸なおいたちを辿って NewA に掲載され て、著者の誰も真面目に宣伝しなかったこともあって特に海外ではあまり知ら れていない。 つまり、 early runaway phase で何が起きているかは依然あま り広く理解されていない。
このことが今回我々には有利に働いたことになる。 NewA 論文で我々が示した ことは、微惑星のランダム速度の分布が熱平衡(等分配)であると、微惑星の質 量分布の定常状態は -2.5 乗であること、この時の成長モードは、「同じぐら いの質量のもの同士が衝突合体する」というものであるということの 2 つであった。つまり、我々は、
我々の認識は上のものであったので、
とはいえ、天体の大きさを無視すればそうなるけど、最初の連星の軌道半径は 主星の半径に比べてそんなに大きくないので、3体相互作用の間に衝突するか もしれない。従って、信用できる論文にするには衝突断面積をちゃんと評価し たほうがいい。これは結構正しくプログラムを書くのは大変な話で、というの は、答があってるかどうか簡単にはわからないからである。もちろん3体問題 自体の数値積分は、初期条件を与えれば計算できる。といっても、これもちゃ んとやるには正則化とか、あるいはどれか一つが非常に遠くにいってからまた 戻ってくる時に計算を速くする処理とかいろいろ工夫しないと計算が終わらな いわけだが、これらについてはプログラムが正しいかどうかは簡単にわかる。 保存量や結果の収束性をみればいいからである。
問題は、「ランダム」な初期条件の発生とか、結果の判定とか、そういうほう である。 結局これは、船渡さん、私、 Piet の3人がそれぞれが自分が書いたプログラ ムで別々に計算し、答合わせをするというなかなか極限的な方法がでチェック したことにした。 まあ、あったからね。 そうこうしている内に、 Peter Goldreich が著者にはいった論文が astro-ph にでて、 Nature style だなあと思ってたら12月だかに掲載された。これは、 2 つの重いものが、回りにある軽いものからの力学的摩擦を受けて close encounter した時に連星になるとかいうもの。数値計算してるけど、 dynamical friction をモデルで入れているし、微惑星の質量分布を、重いも のと軽いのの bimodal というか two component なものにしているしで、そう いうことがあるかもしれないけどもうちょっとちゃんと検証しなくていいのか なあ、、、という感じの代物だった。で、それをみるとさらに別の人がもっと ありそうにないメカニズムを提案して、これも既に掲載されている(これは Nature ではない)。
その辺にコメントしたり、理屈を補強したり、、、で時間がかかって、 論文を投稿したのは、、、翌年の3月。この時に私と船渡さん は Piet に呼ばれてプリンストンにいっていて、ちょうど Goldreich はプリ ンストンにいた。 で、いろいろ議論。彼は少なくとも我々が考えた 状況の下、つまり early runaway であれば我々の考えたようなことが起きる というのはすぐに理解したけど、そういう状況ではないはず、つまり、 100 km サイズのものは late runaway であって、質量分布が違うから衝突なんか 起きないという主張。で、この辺は信用できる理論計算がないので、話はあん まりまとまらない。
ここででも面白かったことは、我々は Goldreich Ward の重力不安定による微 惑星形成モデルをとって、これだと初期にできる微惑星は大きいので 100km は確実に early phase だと主張したんだけど、 Goldreich 本人が重力不安定 は乱流で押さえられるから駄目、、、という感じだったこと。でも、代案があ るわけでもないとのこと。
それはともかく、 Nature からはレフェリーに回すよんってのが来て、レフェ リーからは比較的好意的なコメントがきて、2回やりとりの後で掲載が決まっ たのでありました。エディターからのコメントはわかりやすくとか、概念の説 明をする図を書いてとか、断面積の表は本質ではないからなくてもいいだろう とか、そういう感じ。
掲載というかアクセプトまで時間がかかったのは、主にこちらの対応が遅かっ たせいで、レフェリーからの返事は結構速かった。というか、レフェリーから 「あの論文まだとおってないの?」とか質問メイルがきたり、別のレフェリー ではない人の論文で何故か我々の論文が Nature (in press)で引用されていた りとか、いろいろ不思議なことがあったのでした。 astro-ph には出したけ ど、 Nature投稿中とは書いてなかったはずなんだけど、、、
まあ、 1/r2 の力を計算すればいいだけみたいな話とは違うとか そういう発言もあったが、それはまあ置いておくとすると、一般に研究の現場 で使えるコードを書くとか、あるいは単に中身を理解するというだけでも非常 に大変になってきているわけだ。 書かないで中身を理解できるか?という問 題もあるしね。
「 1/r2 の力を計算すればいいだけみたいな話」だとしても、実 際に計算コードを書こうとすれば無限にいろんなことがある。むしろ、基礎方 程式が単純な分計算法は良くいえば洗練された、悪くいえば複雑なものになっ ている。つまり、どの程度計算コードが複雑になるかは第一義的にはそこ に投入された人的資源の質と量で決まっていて、基礎方程式や定式化自体がどれく らい複雑かにはさして依存しない。
で、そうなると基本的には、ある程度オープンな分野ではほぼ必然的にコード の寡占化が起こる。つまり、良く出来たコードがあって、大学院生が2-3年か けて書いたコードではそれに全く立ち打ちできないという状況になると、自分 でコード開発をやっていたんでは時間はかかって成果はでないということで論 文は書けないし就職もできないということになる。計算コードがオープンに出 回らない分野では、研究室でコードが伝授されるようになるけど、問題の本質 はあんまり変わらない。
あんまりまとまらないが、とにかく、そういう理解するだけで1年、書くには 10 年みたいなコードが必要な計算というのをどうするか?というのはなかな か問題なわけだ。