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食品中に含まれる放射性物質 評価書案 というものがでていて、その主な結論は以下の通りです。
以上から、本ワーキンググループが検討した範囲においては、放射線による 影響が見いだされているのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除 いた生涯における累積の実効線量として、おおよそ 100 mSv 以上と判断し た。 小児に関しては、より影響を受けやすい可能性(甲状腺がんや白血病)があ ると考えられた。 100 mSv 未満の線量における放射線の健康影響については、疫学研究で健康 影響がみられたとの報告はあるが、信頼のおけるデータと判断することは困 難であった。種々の要因 により、低線量の放射線による健康影響を疫学調 査で検証し得ていない可能性を否定することもできず、追加の累積線量とし て 100 mSv 未満の健康影響について言及することは現在得られている知見 からは困難であった。この報告は色々な大きな問題を含むものですが、主要な点は以下の3つでしょ う。
放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ 専門参考人名簿 佐々木 康人 * 祖父江 友孝 滝澤 行雄 * 寺尾 允男 中川 恵一 * 松原 純子 岩崎 智彦 杉山 英男 祖父尼 俊雄「*」がつけてあるのは 原発関連御用学者リスト(医学関係) に名前が上がっている方々です。 祖父江氏、 松原氏については、リンク先の通り。
これだと、松原氏は(元原子力安全委員会委員長代理という駄目そうな肩書の割 には)まるで駄目そう、というわけでもないことを少なくとも事故前にはいって いたことがわかりますが、まあ、その、それ以外の人は基本的に最終的な結論 とほぼ同じ主張をしている人です。つまり、ワーキンググループの結論は、 「参考人に誰を呼ぶか」を決めた時点で既に決まっている、ということがわか ります。
こういうやり方は政府の委員会では常にあることで別に今更どうという話では ないし、公害問題でも同じことが繰り返されてきているわけですが、今回はそ の影響する範囲、引き起こす害が大きい、ということの意味は考える必要があ るように思います。今後、色々なことがこのような手順で正当化されて いくわけで、その中には現在の原発は十分に安全である、という判断も はいることになるわけですから。
とはいえ、このような意志決定(といっても、この部分はあらかじめなされてい る意志決定の正当化にすぎないわけですが)がなされることをどのようにして防 ぐことができるのか、は私にはまだ全くわからないのですが、、、
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