国立天文台の教授(51)が98〜01年度に文部科学省から支給された科学研究費補助金のうち185万円を不正に使用していたことが同天文台の調査でわかった。大学院生への謝金として処理したが、実際には旅費や研究の成功祈願のお札代などにあてていた。
不正使用がわかったのは、今秋打ち上げられる太陽観測衛星ソーラーBに搭載する望遠鏡開発のために支給された科研費3440万円の一部。
天文台の調査によると、研究を手伝った大学院生の口座に振り込まれた謝金185万円を自分の銀行口座に返金させ、うち176万円を大学院生の旅費にあて
たほか、研究の成功祈願のお札代(8000円)、研究メンバーの結婚式の祝電代(約1000円)など、研究業務とは無関係の支出にもあてていたという。
旅費は科研費からの支出が認められているが、観山正見台長によると、この教授はそれをよく知らず、多忙だったこともあって別の名目で経
理処理してしまったと釈明。お札代などの目的外使用を含めて「申し訳ない」と謝罪しているという。文部科学省は「ずさんな経理処理」として詳しい報告を求
める一方、一部返還請求なども検討する。