牧野の公開用日誌

Copyright 1999. Jun Makino

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1999/10/30

• 回路図微調整

• 専攻会議。えーん、主査があたったよー。
• しかし、 D4/D5 で「本年度は提出しない」って、、、

• 午前（駒場）ゼミは川井君。3倍高速化は素晴らしいといえよう。もう一人については ここでは書かないことにして。
• 午後（本郷）ゼミは中里君。うむむ。
• 依然として回路図いじり。まあ、細かいミスがあとに響くものである。

• Simon 先生 New York Times に出る。
• 山上会館（字はこっちだよね）を予約。鬼が笑うどころの騒ぎではない。

• New Astronomyから今年の1号と2号が2部づつ送られてきたんだが、なぜ？前に も2部位来たような気もするし、すでに3号も来ているし。なにか悪いことした かなあ？
• 今日は研究会プロポーザルの下書きを書いた。山上会舘は2年前から申し込めるとのこと。明日いかねば。代々木も奇麗でいいけど、やっぱ大学のが気楽。しかし、2年先の研究会で誰がなんの話をするかなんて決めて意味があるのかね。

• パスワードを思い出す。

• パスワードを忘れる。というか、忘れていることに気がつく。

• というわけで、書類の山にはちょっと眠っててもらって仕事する。線が 長いなあ、、、中継しようかな。
• パブリの英文校閲はまた妙に細かい人に変わったような、、、まあ、細 かい人のほうがありがたいんだけど。

• 研究会の山が去ったと思うと、今度は書類の山が、、、なんかちっとも 仕事が進まないぞ。

• GRAPE の論文は単に置き忘れただけだったりして。別に深い意味はない です。どもすみませんです。
• といっても、もちろん、GRAPE を使って何かしたいというのであればい つでも歓迎しますです。
• Albert が来た。
• プリント基板用データをいじる。というか、そのためのプログラムをい じる。これももう 10年近く使ってるな、、、
• そうそう、共立から本の印税が来ていた。初版だけで消えると思うので、 これを見ている人でまだ買ってない人はすみやかに買うように。

• 教室会議 - エブレンと打ち合せ - 修士コロキアム - 談話会。
• 直径 11mmの電線のサンプルをもらう。結構ものすごいものである。

• 今日が締切と思ってたら、それは奨励の分だったことが判明。まあ、出 来たからいいことにしよう。
• Third "BIWAKO" workshop on system LSIとかいうものの予稿（というか、 OHP）を書く。工学系だと先に出すのが普通なんだよね。まあ、それが本当な 気もする。

• 科研費申請第1次稿。分担者をお願いしている人にチェックしてもらう。 松田さんからコメントが来る。とっても助かったりして。ここでもお礼。どう もありがとうございます。

• 東京復帰。 Lia が来ている。
• ICCP-5 だけど、やっぱり運営が今一つであった。というわけで重箱の隅 をつつくような文句を並べてみよう。
  • 会場の設定が変だった。例えば、私の講演の時にはワイヤレスマイクが 準備されてなかった。これが、なかったわけでなく「計算機を使った発表なら ワイヤレスマイクはいらんだろう」とかいう押しつけがましい精神でそうなっ てたのが問題。だって、手持ちマイクもなくて演壇に固定されてるのしかつか えなかったんだもん。
  • あと、いろいろ準備がなされているわりにはその情報が講演者とかにちっ ともつたわってなかった。計算機、ビデオ、スライドを全部液晶プロジェクタ で写す大変結構な仕掛けがあったんだけど、使えるのかどうか当日までわから なかったし、使い方に至っては直前までよくわからなかった。しかも「リハー サル室」とかいうのがあってそこには本物と「同じ」機械があるっていうんだ けど、もちろんそっちでは写らなくても本物では写るとかあって意味のかけら もなかったし。
  • ポスターセッションの時間割り当てが短い。毎日張り変えってのはねえ。
  • レジストレーションフィーが高過ぎ。「物理」と名前がつく学会で 3万円 もとられたのは初めて。
  • 旅行会社から紹介されたホテルも高過ぎ。私はもちろんもっと安いのを探 したけど。
  • 段々話が細かくなるが、会場と駅の間にシャトルバスが走るってのはいい けど、なんで毎回 230円払わないといけないの？3万円もとるんだからチャー ターするなり、回数券を配るくらいはしたっていいじゃん。
  • コーヒーブレークに、本当にコーヒーそれだけしかなかった。まあ、別に いいんだけどね。
  • あ、そうそう、バンケットで料理が少なかった。まあ、これは安かったか らしょうがないのかもしれないけど、別に女の人がビールをついでまわんなく てもいいからもうちょっと料理があってもいいんじゃないか。
  プログラムや発表内容自体についてはまた別に書くかな。
• しかし、 10/3 のところには「かなりよく閉じ込められているらしい」 と書いたけど、全然嘘だったのね。概ねこの推定通りの量ができて、少なくと も希ガスとヨウ素についてはほぼ全量出ちゃったと思って多分間違いない。
• 科研費の書類書き。明日中には仕上げないと間に合わないんだよね。印 刷と細かいことは月曜にするとしても。

• 学会2日目。私の関係者の講演はほとんど初日、のこりは明日なので今日 は見物の日。久しぶりに吠える戎崎さんを見る。

• 東工大のセミナ。時間に遅れた。井田さんごめんなさい。
• ICCP の準備をせねば。
• ICCP をした。というか、NAP98 の時に使ったのをリニューアルしただけ。
• というわけで、明日の夕方から一週間旅に出ます。この3週間で西日本に いくの3回目だし、なぜか福岡が2回目なんだな。

• 明日は東工大でセミナ。こんな話
• あと、天文学会は用意した。次は ICCP だ。何の話するんだっけ？
• しかし、原子力資料情報室を始めとして、 1g 程度という見解が多いな。 本当にそんなに出たんだろうか？それだと周辺 10 km くらいは結構本気で危ないと思うんだけど。

• どうも報道等からでは良くわからないので、今回の事故でどれくらい放射能ができていそうか を考えてみました。なお、私は別に原子力の専門 家ではないので、あまり信用しないほうがいいとは思います。

  まず、一般的なこととして、今回の臨界事故っていうのは、普通の原子炉の事 故とはかなり性格が違うということは理解しておく必要があるでしょう。普通 の事故では、運転中の原子炉で、10⁹キュリーとかの放射性物質が 溜っている（ウラン数トン分の分裂生成物）ところで、それが環境中に洩れ るかどうかが問題なのですが、今回はもともと放射性物質があったわけではな くて、臨界事故そのものによって起きた分裂反応とそれからの2次的な放射化 によっています。したがって、関係する放射性物質の量としては、以下に見る ように1億倍程度の差があるわけです。

  まず、問題になるのは、どれだけ核分裂が起こったかということです。この量 が、でた放射線の量も分裂生成物の量も決めるわけですから。で、 もちろん上限はもともとあった²³⁵U の量（約 3kg）なのですが、 実際にはこれよりも何桁も少ないでしょう。これだけが出てたら事業所周辺が 蒸発しているからです。 では、どのようにして見積もればいいかということですが、これは（少なくと も専門家でない私には）結構困難です。推定の方針としては、臨界が続いてい た時間とそのあいだの反応速度の積で出すというのが無難と思われますが、反 応速度の見積りがよくわからない。私が思いつく考え方は、

  1. 中性子の強度からの推測
  2. ガンマ線強度からの推測
  3. 発生した熱量からの推測
  等があり得ますが、中性子等の強度から推測するには、そこまでの光学的厚さ がわからないといけなくて、結構難しい。では、発生した熱量はどうかという と、これは、問題の沈澱槽を冷やしていた冷却水の冷却能力（循環速度等）に よるので、これも情報がなくて難しい。

  でも、「難しい」でおしまいにしてはしょうがないので、いい加減な見積りを すると、まず、臨界が維持されたということから、ウラン溶液は弱いにしても沸騰状態 にあって、ある程度ボイドがあることで一定の反応率を維持したと思われます。 溶液の総量は100 kg 程度でしょう。数時間臨界（沸騰）が続いたとすれば、この溶液 の有意な割合が蒸発してもまあ不思議はない。蒸発した量を仮に 10kg とすれ ば、水の気化の潜熱が 2x10⁶J/kg （であってましたっけ？）くら いなので、発生した熱量は 2x10⁷J。これにたいして、ウラン 1g の分裂では 7x10¹⁰Jでるので、 0.3 mg くらいということになる のかな。でも、これは下限ですね。冷却水のほうにいった熱量によっては、 1-2桁は多いかもしれない。というわけで、分裂したウランは 3mg （誤差1桁 以上）。

  分裂生成物のうち、特に問題になるのは半減期が短く（ということは 重量あたりの放射線強度が高く）て体内に溜る ¹³¹I とかですが、 これは収量が 3% ということなので、 0.05mg くら いヨウソができる。ヨウソはだいたい 10万キュリー/g なので、 5Ci くらい できた（前にも書きましたように、誤差は1桁以上）ということになります。

  この 5 Ci が多いか少ないかが問題ですが、イギリスのウインズケールの黒鉛 炉の事故では、 2万 Ci が放出されて、半径 20km の牧場でとれた牛乳は破棄 するとかいう騒ぎになりました。2乗でスケールすれば、数百メートル範囲と いうことになりますが、仮にある程度が本当に放出されたとすれば、風向きと かの影響が大きいのでなんとも、、、ということになります。

  ただし、今回の事故では、かなりよく建物内に閉じ込められているらしいので、危険はかなりすく ないとみてよいのではないかと思います。（でも、クリプトンやクセノンは出た と思うんだけど、検出されてないってのは本当なのかなあ、、、）

  なお、2次的な放射化（中性子吸収等による）については、もちろん起こっ ているわけですが大半は建物内でしょう。さらに、大半の中性子は水素に吸収 されて重水素になると思われる（吸収断面積は水素が圧倒的に大きい）ので、 分裂生成物自体にくらべれば影響は小さいはず。

• 理研にいく。

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